バティックを始めて20年あまり、日本とインドネシアとの往復は
何回となく繰り返してきましたが、制作はほとんど日本で行ってきました。

日本の四季の温度差をコントロールしながら制作を続けてきたのです。

時には、そのハンディを見方につけて、ロウの割れの効果を
利用し制作をしていた事もありました。

しかし、冬場の寒さを乗り越えるのはやはりとても苦労のかかるものです。

そのハンディを乗り切る為に第2のアトリエを
インドネシアのバリ島に移したのです。

本来、ジャワ更紗は南国の光の中で生まれ身近にある
花や木や動物たちを描くことで

人々が生命への祈りを表現したものです。

バティックの本場であるインドネシアで、その空気を感じながら永くつちかわれた職人たちの技や感性を研究し、
それを私なりに表現
した新しいものを求め制作しています。

そんな思いを抱き、落ちついたアトリエには私と同じくジャワ更紗に魅せられた人たちが自然と集まり、皆の制作の場にもなっています。
本場の空気と時間の流れの中で自分だけの布を手がけています。

私がバリ島へアトリエを移したのには、もう1つ大きな目的があったからです。
それは、南国の植物たちから出される様々な色を研究する事です。
日本にはない南国の色を求めてこれからの制作のスパイスにしたかったのです。


(染色NOTE)

 Part.3 木藍   (2006.2月)

インドネシアでは、今世紀初頭に合成染料が入るまで天然染料を使用し、布地や糸を染色してきました。
その中でも最も多く使われている一つがインディゴです。

天然に産する藍のうちインドネシアで使われている藍は、木藍とナンバンコマツナギが最も多く
織物のグリンシン・ワヤンでも知られるテンガナン村地方では、タウムと呼ばれ糸染めに使用されています。

近年、この地方でも需要がなくなりつつあり、天然の藍を使っての染色もほんの一部となって来ています。



A 収穫したばかりの木藍

B 大きな茎は取り除き葉っぱを
瓶の中に入れる。


C その中に水をヒタヒタに入れて
重石を乗せて置く。


D 1昼夜置いた後の藍瓶の様子。
既に発酵が進み水面にギラギラと
した藍特有の膜が張っています。


E 葉っぱのみを瓶から取り除きます。
藍の葉を絞り捨てます。


F 石灰に水を混ぜた石灰乳を
瓶の中に入れ攪拌します。
 暫くして上澄み液を捨てます。



G 3日間程放置した後熟したバナナを
数本入れます。暫くすると、
発酵が進み藍の染料となります。

H 試しに糸を染めてみました。(1回染め)
アトリエでは、次回の作品に使う予定です。

(染色NOTE)

 Part.2 マンゴスチン

       南国の果物と言えば女王マンゴスチン。この実は、白く豊潤でたっぷりの甘い実が最高ですが、
     その生皮は5o程度で分厚く赤茶色をしています。
食べる時、Tシャツ
などに付いたらなかなか取れません。
ここバリ島では、毎日のようにお菓子や果物を
神々に捧げものをしています。
ですので、果物は一番身近な素材の一つです。


A マンゴスチンを食した後の皮を
乾燥させる。


B 細かく砕きチップ状にし、水の入ったお鍋にマンゴスチンを入れ、一昼夜漬け込む。


C 次の日重曹を少々入れ、
染液が適量になるまで煎じる。


D 染料ができたら、染液と定着剤とに
何度か布を漬け込む。



E 淡い生成りの色が染め出される。ここでは、作品の地染めなどに使っています。


(染色NOTE)

 
Part.1  スンティ

その手始めとして、バリ島トゥガナン村で古くから織られている経緯絣「グリンシン」で使用されている赤色を出す染料、
スンティについて調べています。
現地では、糸染めの染色法がとられ、私が行っている布染めでの染着方法をどのようにしたらよいのか、今、研究を重ねているところです。


根皮(生の状態)

根皮を細かくする
インドネシアの茜は、アカネ科の
ヤエヤマアオキであり、
ジャワ島ではムンクドゥと言われ、
ここバリ島ではティバと呼ばれています。

乾燥させたもの

スンティと共に使用するクプンドゥン・プティの樹皮を細かく粉末にしたもの


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